(公財)日本対がん協会、(公財)結核予防会、(公財)予防医学事業中央会の福岡県支部として各種啓発活動や健康診断、学術研究支援活動にも積極的に取り組み、福岡県の公衆衛生の向上に尽力している公益財団法人ふくおか公衆衛生推進機構様は、社内システムにさらなる改善を図るために「仮想環境・シンクライアント」を導入しました。
「仮想環境・シンクライアント」を導入することで、社内システムの管理体制を一本化し、業務の効率化やコスト削減をめざしていきます。
導入前の課題についてお教えください。
ネットワークの遅延、運用管理の工数が掛かるなど多くの課題が山積。

2020年に2つの団体を統合する形で現在の組織になった経緯もあり、機構内で所有する約450台のPCはOSやソフトのバージョン・種類にバラツキがありました。職員同士でエクセルデータを共有する際に、ファイルが開けなかったことも一度や二度ではありません。その都度、Officeソフトを更新するなど、管理に手間が掛かっていました。
メールやプリンターの設定はもちろん、健診データを管理する基幹業務システムの動作環境も個々の端末に依存していたため、不具合が起きると個別の対応が必要となり、システム担当者の負担はかなり大きなものでした。
また、大量データのやり取りによるネットワークの遅延も頻発しており、業務に支障が出ることも課題の一つでした。
導入の目的についてお教えください。
社内システムの管理体制を一本化し、業務の効率化やコスト削減をめざす。
やはり大きな狙いは、社内システムにおける管理体制の一本化です。現在、福岡市と久留米市内に4拠点を持っていますが、パソコンの不具合が起きるたびに担当の情報処理課に連絡があります。しかし、情報処理課は久留米にあるため、対応するには約1時間掛けて福岡市の拠点に行かなければなりません。その為、迅速な問題解決が難しい場合もありました。さらに、機構内で所有する約450台のパソコンを数年ごとに更新するのは、かなりの手間と費用が掛かり、基幹業務システムの処理速度も各職員の端末に依存していました。こうした課題をまとめて解決するために、シンクライアントの導入を決断しました。
導入後に実感した効果、メリットついてお教えください。
社内システムの管理体制の一本化により、データの一元化、コストの削減などが実現。
職員からシステムに関する不具合の問い合わせがあった際、シンクライアントの環境下では、距離が離れていても同じ画面を見ながら遠隔でフォローできるため、スピーディな対応ができるようになりました。通常業務に関してもサーバ側でデータ処理してくれるため、動作速度が向上しています。
エクセルやワードをはじめ、業務で使用するソフトのバージョンも統一され、効率的に管理できるようになり、OSやソフトの更新に掛かる費用など、ランニングコストの削減が実現できたのも大きなメリットです。

また、以前は各職員の判断でデータファイルのダウンロードなど自由にできていましたが、現在はデータ持ち出し管理が徹底された運用になり、セキュリティ面でも効果を実感できています。職員のセキュリティ意識の向上にも一役買っています。
それから、業務用とインターネット接続用の使い分けが不要になったことに加え、シンクライアント環境の導入により現場スタッフがPCを共有できるようになったため、所有するパソコンの台数が大幅に削減されたこともメリットのひとつです。会議や応援などで拠点間を移動した際も合間に自分の業務に取り組むことができ、以前より時間を有効に使えるようになったと職員から好評です。
導入までの経緯・感想をお教えください。
基礎的な環境の構築からシンクライアント導入に至るまで、細やかで手厚いサービスに大変助かっています
九州日立システムズとのお付き合いは現在の拠点に移転してきた13~14年前からだったと認識しています。当時はネットワークの回線など、基礎的な環境の構築から担当していただきました。今回のシンクライアント導入に関しても、システムや情報端末に関する課題を共有し、提案・検討を重ねながらベストなプランを見出していただきました。新たに開発するとシステムが複雑化する可能性があるので、既存のパッケージに沿ったご提案をいただけたことも大変ありがたく、今後もパートナーとして密に連携できればと思います。
お客さまプロフィール
公益財団法人 ふくおか公衆衛生推進機構
- 設立
- 1971年7月1日
- 従業員数
- 268名(2023年4月現在)
- 代表者
- 理事長 本田 浩
- 事業内容
- 健康診断、日帰り人間ドック、精密検査、外来診療、環境調査、分析業務、健康と環境に関する調査研究および普及啓発事業
- サイト
- https://www.fphpo.or.jp/

事務局 総務管理部 総務企画課、
企画監(情報課担当)中村 和也 様
健康事業局 企画運営部
情報処理課緒方 彩加 様
ガーデンシティ健診プラザ 7月1日 グランドオープン
時代をリードする新しい健診システムを実現し、人々の健康に大きく貢献
福岡市の大名に7月1日にガーデンシティ健診プラザがオープンします。
すべての健診がワンフロアで実施され、ゆったりとした空間で各検査が受けられます。建物そのものがセキュリティを強化しているため、安心して利用していただけるのも特徴です。健診者の方には受付時にタブレット端末をお渡しし、その画面上で検査場所の誘導を行います。シンクライアントと連動した健診システムのDX化により、リアルタイムな検査状況の把握・検査漏れの防止、検査機器からの自動データ入力が可能になります。
血液検査をした場合は、プラザ内にあるラボで即日結果を解析し、追加検査や特定保健指導が必要な方を自動で抽出する仕組みが備わっています。プラザ内にはクリニックがあるため、保険診療でCT検査を受けることもできます。

また、新しい健診システムとして私たちがめざしているのが、受診票などのペーパーレス化と健診処理・結果通達の迅速化です。
これまで集団健診においては検査結果のお渡しが3~4週間ほど掛かっていましたが、1週間以内を目標にしています。個人の検査や人間ドックに関しては、当日に結果をお知らせできるよう取り組んでいます。
担当より一言

井上 大輔
ふくおか公衆衛生推進機構様とは、九州日立システムズの初期導入時からのお付き合いで10数年になります。
今回のシンクライアント導入に関しても、課題解決に向け数年を掛けて調査、提案を繰り返しお互いの最適解に達することが出来たのではないかと考えています。
今回、無事に稼働することができ、お客さまにも喜んでもらえ、大変うれしく思っています。
今後もお客さまのご要望にお応えできるよう努めてまいります。
社内システムにおける今後の展望をお聞かせください。
ふくおか公衆衛生推進機構様は、全国の健診機関に先駆けて胸部X線写真のAIシステムをいち早く導入。2名のドクターによるダブルチェックで読影を行っており、AIとの連携によってより精密な診断を実現しました。国民の健康を守るため、こうした健診事業やサービスのDX化をさらに推進し、健診や事務処理の効率化、業務時間の短縮、経営の効率化などを積極的に図っていこうと考えています。九州日立システムズとも連携し、より良い社内システムの具現化をめざします。